感謝の気持ちを形にするワンダーランドクリエーション

結婚式での演出に役立つコラム


î‚òIâÉBGMÇÃÉ|ÉCÉìÉg
披露宴やパーティで活かしたい超実践的BGM 
〜プロの経験とアイデアで最高の披露宴に〜

         耳のスタイリスト 野崎 こうじ

[profile]
ブライダル分野のBGM専門家として1997年より活動開始。
現在までに、ゲストハウスウエディングやレストランウエディングを中心に約1,500組を超える披露宴BGM選曲やPAを担当。2時間半の披露宴を一つの物語にみたて、新郎新婦だけでなく、ご両親や友人全員に満足してもらえる演出に日々邁進している。
「けっこんぴあ」「ノンノ・モア ウエディング」などの雑誌への寄稿の他、披露宴BGM関連コラム執筆多数。
 

Q1)ブライダルBGMへのこだわりを教えてください。
披露宴でのBGMで大切にしているのは、かけがえのない結婚式当日の演出をいかに音楽で補強できるか
そしてゲストのみなさんが会話を自然にしやすいような空気をナビゲートして作り出せるかだと思っています。
その私のポリシーは、ライブハウスのPAやミュージシャンの頃から変わりません。
選曲の際どんな曲にしようか迷っているお客様には、私自身のお勧め曲を押し付けるのではなく
新郎新婦のお二人が実現したいイメージを会話の中から引き出し、「こういう曲はいかがですか?」と
ご提案するようにしています。
様々な嗜好のお客様がおられますから、ご期待の一歩先のご提案ができるよう、日々のねた集めも惜しまずやっています。
最近のお客様は、ありきたりの曲ではないものを求める方が多いので、聞いたことがあるようで有名ではない曲や
場合によっては既存の曲だけでなくオリジナルソングを選択することもあります。
また、当日に感動的なハプニングが起きたときは、すかさず演出をもりあげるようアドリブ対応します。計画したものだけでなく、
当日のその瞬間の空気にあわせて曲をかけるようにしています。
音で人の心を動かしたり、場の雰囲気を作ったりという空間プロデュースをしているイメージです。

選曲だけでなく、オペレーションも大切です。結婚式のBGMは、音量やタイミングがとても大切ですから。
音楽は、空気のようにそこにあるものだから単純に選曲そのものだけで褒められるものとは違うと思うんです。
ほんとによかった、とただ一言お客様に言っていただけるのが最高の喜びですが、もしかしたら、あまりにその他の演出やハプニングと
マッチしすぎていて、まさに音楽が空気のようになり、特に何も言われないのが成功なのかもしれないですね(笑)。

Q2)自分たちでBGM選曲する際に気をつけたいポイントは何ですか?
一つは、司会者や会場スタッフに選曲の意図を明確に伝えること。会場の笑いをとりたい時は、特に会場スタッフとの連携が重要です。
例えば数年前、入場で「てんとうむしのサンバ」をかけて場を和ませたいというお客様がおられました。
私にはその意図が伝わっていましたが、事前お打ち合わせに参加していなかった会場の司会者の方が意図を理解しておらず、
「ご入場です」と淡々と進行してしまい、会場はシーンとしてしまいました(笑)。
ただ曲が面白いだけで笑いがとれるわけではありません。司会者や会場スタッフとのコラボレーション・連携もとても大事です。
司会者の方が気の利いた一言を言ってくれるかどうかによってもイメージが全く異なってきますから
明らかに受けを狙いたくて、TVの主題歌や好きなスポーツチームの応援歌など思い入れのある曲を選んだときは特に、選曲の意図を明確に
スタッフに伝えてください。ゲストのみなさんを置いてけぼりにしないためにも、ぜひご留意ください。

二つ目は、オペーレティング技術の確認。
例えば、BGMの区切りを明確にすると、格式のあるセレモニー風になります。
BGMの区切りを明確にせず、シーンとシーンの間を音楽でつないでおくと、カジュアル風になります。
例えば、イタリアンレストランでカンツォーネを使ってみたいというケースなど、ラブバラード以外のリクエストに対して、その曲を
いかに自然に披露宴の中で使えるかも技術の一つです。
披露宴というドラマを素敵に演出するためにBGMを効果的に活用するためには、これらをふまえて演出してくださるオペレーターの方に
お願いするとよいでしょう。

Q3)披露宴でBGMを効果的に使うために、工夫していることは何ですか?
私の場合、常に披露宴の2時間半の間でひとつのストーリーをイメージして演出しています。
音量は約5秒おきに細かくボリューム上げ下げして微妙な変化をつけています。会場の空気の温度を調整するようにオペレートするイメージです。
また、次に何のイベントがあるかをわかった上で音量や質を変えていくのも大切にしています。
次にご友人からの面白系の余興があるなら、そこに向かってボルテージを少しずつ上げていく。次に涙を誘いたい手紙を読むイベントがあるなら、
そこに向かって感動的にきかせていく、という風に言葉だけでなく音楽があるからこそ泣ける、それがBGMの演出ですよね。

Q4)これまでにあった面白いエピソードは?
20年前は、ホテルの披露宴では謝辞を読む場面でBGMを流す習慣がありませんでした。
しかし、私が担当した披露宴で、その場の雰囲気からBGMがあったほうがいい!と強烈に思えたためアドリブでBGMを流しました。
すると、これまでみなさんが我慢していた涙が一気に溢れ出しました。
披露宴が終わってから、お客様からも「ありがとうございました」と言っていただけたことを鮮明に覚えています。
サプライズは予想外のところに起こるものだと実感しました。
これからも、お客様に喜んでいただけるサプライズを創出していきたいと思っています。

Q5)ずばり、「ブライダルBGM」とは?
披露宴やパーティにおけるBGMは、メイン食材を引き立てるための調味料だと思っています。
存在自体は主張しすぎないけれど、なくてはならない存在。究極を言えば、食材そのものがすばらしく美味で
調味料がなくても十分おいしいという状態が最高ですよね(笑)。
ただし、会場にきている新郎新婦・ご両親・ご親戚・ご友人すべての方を満足させたい。ご友人が「よかったよ」と言ってくれたら、
主催の新郎新婦はとても嬉しいでしょうし。そのためには、やはり調味料は必要かなと思います。
世代の違う方々をも満足させるスパイス、それをBGMで実現できたら最高です。

Q6)BGMの使い方は、時代とともに変わってきていますか?
10年ほど前までは、いわゆる「披露宴っぽい曲」を選ぶ方が多かったのですが、最近は、自分の好きな曲やラブバラードではない曲を流したい
という方が増えました。その分、披露宴で流す曲調などが昔に比べてバラエティに富んできたように思います。
また、歌詞も80年代・90年代に比べて最近は、さほど気にしない方が増えてきました。
みなさん曲のイメージを重視しておられるようですね。
特に洋楽の場合、歌詞をほとんど無視して選曲(ただし、実は悲しい歌詞だったということも頻発しているので気にする方はご注意ください)。
邦楽の場合、歌詞を意識して選曲していたものですが、現在はさほど歌詞にはこだわらない方も多くおられます。
余談ですが、実はクラシック音楽はBGMには使いにくいんです。曲そのものに物語があるから、音量がバラバラで(笑)
披露宴で突然のサプライズなどに使うには向いていません。盛り上げたいのにまだ静かだったり、その逆もありますからね。
クラシック音楽をもし使いたい場合は、ブライダルでよく使われている曲を選ぶのがむしろ無難です(カノン、愛のあいさつ 等)。

Q7)ありきたりではない方法で、BGMを活用したいという方へお勧めのアイデアがあれば教えてください。
全体の流れの中で、どう盛り上げたいのかをまずイメージすることが大切です。
披露宴やウエディングパーティのBGMというと、入場・ケーキカットなどメインの場面の選曲をイメージする方がほとんどですが、
歓談中のBGMにこだわって当日のコンセプトや会場の雰囲気を明確にするとよいと思います。または、逆にあえていろいろなジャンルの曲を
多数詰め込むとイベント色が強まりますね。僕は、これを「バラエティ」と呼んでいます。
思いを入れ込んだ分だけ、会場は感動に包まれます。
余裕があれば、選曲した曲名とその意図や二人の思い出のエピソードが記載されたメモなどが各テーブルに配られているとゲストの方々も
さらに楽しめそうですね。

Q8)これからの時代、オリジナルのBGMや「てがメロ」サービスは効果的だと思いますか?
感謝の気持ちを綴った手紙にメロディーをつける「てがメロ」という発想は、これからの新しい演出としてとても可能性を感じています。
今までにない概念ですから、すごくインスピレーションを受けますね。
例えば新郎新婦の二人の思いは、既存の曲を選曲するだけでは表現できないものですから。
ご両親、ご友人、同僚などへの感謝の気持ちをオリジナルソングにするなどイメージも色々と膨らみます。
「言葉×音楽」だけでなく、「言葉×音楽×映像」のコラボレーションもあるのが「てがメロ(R)」のユニークなところの一つですよね。
披露宴やパーティで実施される各イベントやシーンの中で、どの場面でも活用できます。

ぱっと浮かんだのは、余興の最後のイベントとしてサプライズ演出する方法ですが、オープニングやエンドロールともつなげることができ
「劇場型ウエディング」という新しいスタイルを確立する可能性もあると思っています。
例えば新郎が中座中にメイキングビデオを上映し、再入場後の余興最後に本人が新婦に向けて歌う。
僕ら(BGM)がやっている披露宴の演出は、「はい、入場〜」などイベントドリブンですが「てがメロ」は、新しい切り口だから面白い。
プロのクリエイティブ集団だからこそ実現できる演出サービスなのかもしれませんね。

=おわり=